子育てするなかで、さまざまな理由から「子どもに絵本を好きになってもらいたい」と思う人も多いでしょう。保育士としても、絵本から学ぶものは多いと考えます。
しかし、保育園ではワクワクしながら読み聞かせを楽しんでいる子どもでも、家ではまったく興味を示さないという話をよく耳にします。
そこでこの記事では、子どもが絵本を読みたくなる収納や、興味を持ってもらうための工夫をご紹介します。ぜひ取り入れてみてくださいね。
\絵本の試し読みができる!/
この記事のポイント
・絵本に触れることは子どもの発達にとても大切
・絵本に興味を持つためには見える収納が必要
・関心を広げるためには定期的な絵本の入れ替えが有効
子どもの絵本はいつから読み聞かせる?
絵本は、基本的に幼児~児童期向けの本です。一般的には、生後数か月からの読み聞かせが推奨されています。しっかり目が見えていなくても、言葉の意味がわからなくても、赤ちゃんは声や音の響きを楽しみます。
また、少しずつ絵本から視覚的な刺激を受け、言葉と絵を結びつける練習をしていきます。
2~3歳ごろになると、子どもたちは絵本のストーリーに興味を持ち始め、言葉や物語の理解を深めていきます。そして、3~5歳ごろには絵本を通じて感情や道徳的な価値観を学ぶようです。
ただし、子どもによって興味や理解度は異なるため、具体的な年齢にとらわれず個々の成長や興味に合った絵本を選ぶことが大切です。また、読み聞かせに年齢制限はありません。
子どもが読んでほしいと言っている間は、
何歳になっても読み聞かせてあげてくださいね。
子どもに絵本を読み聞かせる効果とは?
乳幼児期に絵本を読み聞かせると、どのような効果があるのでしょうか?
言語の発達を促進する
絵本を読み聞かせることで、子どもの語彙力や言語理解が促進されます。新しい言葉や文章構造を耳にすることで、子どもは耳や目から自然な形で言語を学びます。
想像力と創造性が育つ
絵本特有の色鮮やかな絵や豊かな物語を通じて、子どもの想像力と創造性が育まれます。物語の中のキャラクターや世界に没頭することで、子どもは自分なりの物語を想像して、創造的な思考を養います。
人の感情と表現を学ぶ
絵本には、登場人物を通してさまざまな感情が描かれています。それらに触れることで、子どもは感情の理解や表現方法を学びます。主人公の喜びや悲しみ、怒りや驚きなど、言葉では説明しにくい心情を理解できるよい機会です。
集中力と注意力が向上する
絵本を読み聞かせることは、子どもの集中力と注意力を向上させます。物語や絵を通じて興味・関心を引きつけ、話の展開に集中させます。さらに、そのなかで長時間の注意を維持する練習が可能です。
親子関係が強化される
絵本の読み聞かせは、親子の絆を深める素晴らしい機会です。ともに物語を楽しむことで、親子間の心がつながります。忙しくて子どもと過ごせる時間が少ない家庭でも、絵本の読み聞かせをすることで濃密な時間を過ごせるといえるでしょう。
そもそも絵本が好きじゃない!なぜ?
保育園でよく聞く「うちの子は全然絵本が好きじゃなくて…」という言葉。正直、少しもったいないと思っています。もちろん子どもによって個人差はありますが、以下のような状態であれば悩む必要はないかもしれません。
子どもの心は素直です。お気に入りのページは満足いくまでくり返し読みたいし、気になるものが目に入ったら触りに行きたい。そのため、家庭での読み聞かせで「途中で飽きてしまう」という状態は、珍しいことではありません。
それは絵本が「好きじゃないから」ではないので、安心してくださいね。ちなみに「保育園での絵本の読み聞かせは最後まで聞く」という現象には、以下のような理由があります。
保育園ならではの環境構成もあるので、お家で集中しないからといって「絵本が好きじゃない」と決めつけたり、絵本を遠ざけたりすることは避けてほしいなと思います。
「興味ない・聞かない・飽きる」の対策は絵本棚にある!
乳幼児期の子どもの興味・関心は「目で見えるもの」や「聞こえてくる音」に惹きつけられるため、絵本に興味を持ってもらうためには視覚的に訴えることが有効です。
まずは視界に入れて興味を示してもらうこと、そして触れるうちに関心を持つこと。そこから、読んでもらったり自分でページをめくったりすることで「ワクワクする体験」を積み重ねていきます。子どもが絵本を読むとワクワクすると知ったあとは、飽きさせない工夫をおこなうことが大切です。
絵本に興味を示す工夫
まずは、絵本に興味を示す工夫です。絵本をリビングなどの身近な場所に配置して、子どもの目に触れやすくしておくことで、自然と手に取る機会が増えます。ここで大切なのが、絵本の表紙が見えること、出し入れしやすいことです。
一般的な本棚のように絵本の背だけが見える状態では興味を示しにくく、さらにワンアクションで簡単に取り出せる収納方法でなければ「読もう」という気持ちを削いでしまう可能性があります。
子どもが自分から本を選ぶ機会を与えることで、読書の習慣を身につけることができます。さらに、絵が豊かな絵本を選ぶのも大きなポイント!色鮮やかな絵や魅力的なキャラクターが描かれた本は、子供の興味を惹きつけます。
絵本に関心を持つ工夫
絵本に興味を示し、手に取るようになれば関心を深められるよう工夫していきます。まず大切にしたいのが、子どもが興味を持ちそうなテーマやジャンルの本を選ぶことです。「この絵本はどうだろう?」「こっちも開いてみたい」と思うことが、絵本との距離を縮めます。
また、読書を楽しい体験にできるよう、仕掛け絵本や参加型絵本を選ぶのもおすすめです。一生の思い出に、自分が主人公になれる世界に一つだけの絵本を作るのも素敵です!
絵本に飽きない工夫
「絵本は楽しいもの」と学んでも、その時々に合った絵本がなければ興味・関心が薄れてしまう可能性があります。それが「飽き」です。
子どもが絵本に飽きないようにするには、図書館や書店を訪れるなど、本を選ぶ楽しみを体験してもらうのがおすすめです。子どもが自分で本を選ぶ体験により、読書の楽しみを深められます。
そのような時間がなければ、自動的に月齢に合った目新しい絵本を揃えられる「絵本のサブスク」を利用しても良いでしょう。
絵本を好きになる!おすすめの絵本棚
私自身も、子どもに絵本を好きになってもらいたいと絵本棚選びにはかなりこだわりました。まずは表紙がしっかり見えることと、子どもの手の届く高さで出し入れしやすいこと。選んだ絵本棚は「yamatoya」ノスタのブックシェルフです!
上段はすぐに手に取れるため、子どもたちが気に入っている絵本を配置。下段にはあまり読まない絵本や図鑑、辞書などを置いています。
子どもが0歳から導入して、成長に合わせて絵本を入れ替えながら8歳の現在も変わらず使用しています。よくあるプラスチックの本棚よりも値段は高いのですが、木製で温かみがあるところがお気に入りです!
・角が丸くなっているので乳児さんでも安心して使える
・高さ75cmで乳幼児が取り出しやすい
・シンプルでリビングのインテリアにも合う
絵本棚とおもちゃ棚がいっしょになっているものも多く売られていますが、私は個人的に収納は別にしたいと思っています。その理由は、絵本への興味・関心をより深めるためです。
読み聞かせのときに「背景をシンプルにする」という保育園の環境構成と同様に、家庭でも子どもに与える情報はシンプルがベスト。無理強いはせずとも、自然に絵本を手に取りたくなるような環境構成が大切です。
ちなみに私は、2週間に1回図書館で絵本を借りてきて、絵本棚上段部分を入れ替えています。学級文庫のように、こちらから興味・関心がありそうなものを選んで目に入るようにする作戦です。
図書館に行くのは面倒だけど、絵本棚に新しい絵本があったらなんとなく気になって読んじゃうんだよ~。
インテリアに強いこだわりがあり、絵本棚選びに悩んでいる人はオシャレなキッズ家具を選ぶのもおすすめです。
絵本が高くてなかなか買えないときは?
たくさんの絵本と触れ合わせてあげたいと思う反面、絵本の値段の高さに頭を抱えている人も多いのではないでしょうか?1冊1,000円を超えるものが多く、頻繁に購入できるものではありません。
また、高いと思いながら購入すると、興味・関心を示さなかったときに「せっかく買ったのに」と、無理に勧めたくなります。そうなると、子どもが嫌がり読まなくなるという悪循環に陥る可能性も…。そんなときは、以下のようにして素敵な絵本を揃えてみましょう。
図書館で借りる
お金がかからない方法としておすすめなのが、図書館の活用です。しかし、子どもを連れて重い絵本を持ち運ぶのはとても大変…!
そもそも自宅近くに図書館がないという人も多いでしょう。時間があれば大人だけで図書館へ行き、定期的に絵本棚の内容を入れ替えてもいいですね。
古本屋やフリマアプリを利用する
価格で考えれば、古本屋やフリマアプリの利用もおすすめです。欲しい絵本がない場合もありますが、一度人の手に渡ったものであれば手頃な値段で購入できます。読み終わったらまた売りに出すことで、さまざまな絵本と触れ合えますよ。
絵本のサブスクを導入する
絵本を選ぶ・購入する・管理するといった手間が読み聞かせのハードルを上げているという人は、絵本のサブスク一択です。自宅にいながら子どもの月齢や興味・関心に合った絵本を選べるため、とにかく便利!
また、試し読みしてから選ぶことで購入後のミスマッチを防げます。費用はかかりますが、常に子どもの興味・関心を惹きつけ、飽きない読書環境を整えられますよ。
\絵本の試し読みができる!/
絵本の管理どうする?断捨離して処分するタイミング
欲しい絵本は借りて読むという場合は問題ありませんが、定期的に購入していると絵本の数が増えてしまって管理が大変になります。赤ちゃん絵本など、子どもの成長に合わせて手放そうと考えている人も多いでしょう。
私は、乳児用の絵本はぜひ小学校入学までは保管しておいてほしいと考えます。読み聞かせではなく自分で読むための絵本として。ひらがなを覚えたての幼児から就学直後、文字を読む練習にピッタリなのが乳児向けの文字数の少ない絵本です。
読み聞かせてあげていた絵本を自分で読んでいる姿を見ると、とても感動しますよ。また、絵本に載っているイラストを使って写し絵を楽しむのもいいですね。以降、断捨離を考えたときは、以下のような処分方法がおすすめです。
ロングセラーの絵本であれば、少し汚れていても買い手がつきます。捨ててしまう前に、寄付や販売も検討してみましょう。
まとめ
子どもにとって絵本は、新しい世界との出会いの場所。情報過多で物に溢れる昨今、絵本以外のものに興味が奪われてしまい「絵本好きじゃないのかな」と悩む人も多いでしょう。しかし、絵本と触れ合う時間は、工夫次第で作り出せます。
まずは視界に入れること、そして「絵本のなかにはワクワクする物語が広がっている」と感じられる体験を積み重ねること。飽きないよう、定期的に絵本棚のラインナップを変えてあげることも大切です。これらの方法を試してみて、子どもが本を楽しむきっかけを見つけてみてくださいね。