100人の保護者に聞いた!保育園の連絡帳でひどいと思ったエピソード

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保育園に通う子どもを持つ家庭にとって「連絡帳」は毎日の子どもの様子を知るための大切なツールですよね。

本来は子どもの体調や食事・排泄の記録を共有するために始まったといわれていますが、今では保護者にとって園での姿を知る楽しみであり、保育士にとっても家庭との信頼を深める大切な記録となっています。

一方で、悪いことばかり書かれて不信感を抱いたり、先生が記入しない日があってモヤモヤしたりするなど、連絡帳がストレスの原因になることもあります。

また、忙しい保護者にとっては「書くのが面倒」と感じることもあり、ときにはトラブルやクレームに発展するケースもあるのです。

そこで今回は、100人の保護者に「保育園の連絡帳でひどいと思ったエピソード」を調査しました。

あや先生

リアルな声をもとに、信頼が深まるコメントと不信感を招くコメントの違いを整理し、より良い連絡帳のあり方を考えましょう!

目次

100人のママに「保育園の連絡帳」について聞きました!

子どもを保育園に通わせる保護者のイメージ

アンケートの概要

このアンケートを実施したのは、保育士歴10年でInstagramを中心に連絡帳の書き方について情報を発信している「あや先生」こと、私自身です。

きっかけは、保育士・保護者双方からのお悩み相談。DMなどでよく、以下のようなお声をいただきます。

保育士

保護者から連絡帳の内容について指摘を受けてトラブルになっている。全然書いてくれない保護者もいて困っている。

保護者

保育士さんからの連絡帳が簡素すぎてモヤモヤする。子どもの悪いところばかり指摘してくるのも気になる。

上記のようなお悩みは多く「実際に連絡帳は保育士と保護者の関係にどう影響しているのだろうか」と考えたことがきっかけです。

なお、この調査は2024年にクラウドワークスを通じて実施しています。対象は保育園に子どもを通わせている保護者100名です。質問内容は以下の4つです。

1.連絡帳コメントによって、保育士への「好き嫌い」や「信頼できる・できない」に影響するか
2.連絡帳コメントで「不信感が募ったエピソード」
3.連絡帳コメントで「信頼感が増したエピソード」

4.連絡帳で「面倒だと感じること」

アンケートの結果

さっそくですが、こちらがアンケートの結果です。

連絡帳コメントが信頼度に影響するか

「連絡帳コメントが保育士への信頼度に影響する」と答えた人:64人
「連絡帳コメントが保育士への信頼度に影響しない」と答えた人:36人
自由回答:全員が具体的に回答(各100件)

保護者の6割以上は、連絡帳での対応が「保育士の信頼度に影響する」と答えました。信頼関係を構築するために欠かせないツールですが、記入方法によっては「クレーム」や「トラブル」の原因にもなりえるということです。

自由回答からは、まったく書かない先生や形式的な記述は、不満や不信感を招きやすいことがわかりました。そして保護者側も「毎日の記入が大変」と負担を感じているとのこと。

連絡帳は「信頼形成」と「負担感」の両面を持つ存在。やりとりの質次第で良くも悪くも働きます。

連絡帳が保育士への信頼度に影響する?

保護者が連絡帳を見るイメージ

ここからは、自由回答で得た保護者の具体的な意見を分析し、ご紹介していきます。

連絡帳コメントは信頼のバロメーター

100人中64人の保護者が「連絡帳コメントの内容で信頼度を判断する」と回答しました。「信頼度がアップしている」と感じている保護者の意見は以下のとおりです。

家で教えていないことを園でできていたと知り、しっかり見てくれているんだと信頼できた。

細かく褒めてもらえると、子どものことをよく理解してくれていると感じる。

友達との関わりを具体的に書いてくれる先生は、よく見てくれていると安心できる。

家庭では見せない姿を教えてくれると、子どもが大切にされている実感が湧く。


連絡帳コメントの具体性や丁寧さは、保護者にとって保育士を評価する大事な指標です。ちょっとした言葉でも「うちの子を大切に見てもらえている」と実感できるのです。

影響しない派の意見も

一方で、100人中36人は「影響しない」と回答しました。保育士への信頼度に連絡帳は関係していないと感じている保護者の意見は以下のとおりです。

連絡帳より直接会話が大事。

子どもの様子は家庭でもわかるので、記録はあくまで補助的なもの。

連絡帳が簡単でも、送迎時にしっかり話してくれる先生なら信頼できる。


すべての家庭が連絡帳に重きを置くわけではなく、直接のコミュニケーションを重視する人も一定数います。それでも、温かいひとことが添えられているとやっぱり嬉しい、という声も多くありました。

保育士からの連絡帳コメントで不信感が募る

保育園に子どもを通わせる保護者が悩みを抱えるイメージ

次は、保育士が書く連絡帳のコメントに「不信感が募ったエピソード」があるかどうかという質問についてです。集まった100件の回答を分析すると、大きく以下の4つのパターンに分類できました。

・否定的・悪いことばかり書かれる
・書かない先生・形式的な記録
・保護者に責任を押しつけるコメント
・小さなミスが不信感につながる

それでは、具体的なエピソードの内容もチェックしていきましょう。

なお、ここでのエピソードにはことの背景が描かれていません。保育士側からすると「それって保護者側が〇〇なのでは?」と思う部分もあるかもしれませんが、保護者の主観的で率直な意見として参考にしてみてくださいね。

否定的・悪いことばかり書かれる

「今日はできませんでした」と書かれたとき、責められているようでつらかった。

「今日は泣いていました」とだけ記され、理由や対応がなく不信感を抱いた。

おもちゃの取り合いなど悪いことだけが書かれ、モヤモヤした。仲直りなど良い面も記載してほしかった。

「こんなに悪い子でした?」と冗談で書かれ、子どもにも普段からそう言っているのではと感じてモヤモヤした。

こうした声からわかるのは、保護者は子どもの様子を詳しく知りたいだけでなく「笑顔で楽しく園生活を送っていることを確認して安心したい」と思っていることです。

小さな失敗も「挑戦の過程」として表現されれば受け止めやすいですが、否定的な言葉が続くと「子どもが悪いことばかりしているように感じてしまう」との不満につながります。

コメントの言葉選びひとつで、保護者の気持ちは大きく揺れてしまうことを知っておくことも大切!

書かない先生・形式的な記録

保護者欄には子どもの様子を詳しく書いたのに、返事がハンコだけでモヤモヤした。忙しいのは理解できても、受け止めてもらえていないと感じた。

連絡帳が空欄で返され、子どもの様子がわからず不安になった。

短い定型文ばかりで、子どもの様子が全く伝わらなかった。形式的に書かれていると感じ、不信感を持った。

いつも同じような内容のことをかかれているとがっかりする。生活の流れをただ書いているとか、ご飯を全部食べましただけだと悲しい。


「書かない先生」や「形式的すぎるコメント」には、多くの不満が集まりました。

ほんの数行でも子どもの姿が具体的に伝われば安心できますが、「特になし」といった表現は「きちんと見てもらえていないのでは」と不安を呼びます。

保護者にとっては、量より質。たとえ短くてもきちんと子どもの様子が伝わることが大切なのです。

保護者に責任を押しつけるコメント

家庭での練習をお願いするような記載があった。園での指導不足を家庭に押し付けられたようで、少し嫌な気持ちになった。

誰かに手を挙げたり、怪我をさせてしまったときなどに、家庭内で問題を解決するようにお願いされた。

「〇〇ができませんでした」というコメントしかなかったとき、できていないから家庭で早くきちんとしてくださいというニュアンスが含まれているように感じて不信感を募らせた。

園でケガをしてきたのに「自宅でぶつけたのでは」と返され、子どもの様子をよく見ていないと不信感を持った。

園の出来事をそのまま「家庭の責任」にされてしまうと、保護者は強い負担感を覚えます。

特に「練習してください」という一方的な依頼は「子どもをサポートする保育士という立場から外れている」と感じるきっかけになります

お願いが必要なときこそ「一緒に頑張りましょう」という姿勢が信頼をつくります。

小さなミスが不信感につながる

字が汚く、誤字脱字の多いときは、不信感が募った。

子どもの名前を違う友達の名前と書き間違えられたときは、同じ内容をコピーしているのかなと思った。

双子で連絡帳コメントが一字一句同じだったのが、モヤモヤした。

話が通じていないような、ちぐはぐな回答だと不信感が募る。


一見些細な誤字脱字も、保護者にとっては「この先生は本当にうちの子を見ているのか?」という疑念につながります

逆に、字が丁寧に書かれているだけで「きちんと向き合ってくれている」と安心する保護者も多いのです。

急いでいても相手に伝える誠実さは大切にしたいもの。小さな部分から伝わります。

保育士からの連絡帳コメントで信頼感がUPすることも!

笑顔で信頼感のある保育士のイメージ

続いては、保育士が書く連絡帳のコメントで「信頼感が増したエピソード」があるかどうかという質問についてです。集まった100件の回答を分析すると、大きく以下の4つのパターンに分類できました。

・成長や頑張りを伝えるコメント
・家では見られない一面を知らせてくれる
・子どもへの愛情が伝わる言葉
・悪いことも工夫して伝える

それでは、具体的なエピソードの内容もチェックしていきましょう。

なお、ここでのエピソードにはことの背景が描かれていません。保育士側からすると「それって保護者側が〇〇なのでは?」と思う部分もあるかもしれませんが、保護者の主観的で率直な意見として参考にしてみてくださいね。

成長や頑張りを伝えるコメント

こんなことを言ってくれました、本当に◯◯くんは優しいですね、などと褒めてくれるようなエピソードはとても嬉しい。

ちょっと乱暴でわがままな子なので心配でしたが、泣いている友達に優しく頭をなでてあげていたと書かれていたときは嬉しかった。

子どもが頑張っていたことや、どんな様子だったかということを事細かく書いてくれる保育士さんはよく子どものことを見てくれているんだなと信頼感が増す。


子どもの成長や頑張りを伝えるコメントが保護者の安心感につながります。また親子の会話を広げるきっかけになることも多く、信頼を育む大きな力になっているのです。

家では見られない一面を知らせてくれる

家で教えてない事を保育園でやっている様子をコメントしてくれていて、日々成長しているんだなぁとうれしくなる。

「できました!」報告や、友達との会話、家でこんなことがあったよと報告してくれた、など他人目線でのわが子のかわいいエピソードは本当に仕事終わりの疲れをいやす最高のご褒美。

お友達とこれしてました、とかこの食べ物が好きみたいなど家ではわからない一面を知ることができると嬉しいしありがたい。


園でしか見られない姿を伝えてもらえることは、保護者にとってかけがえのない喜びです。「子どもが社会で育っている」と実感でき、園への信頼も強まります。

子どもへの愛情が伝わる言葉

可愛いと言われると単純に嬉しい。

子どもの癖やちょっとしたこと、思いに気づいてくれると信頼感が増す。

体調が優れない日にも「心配していましたが、無事に元気になって良かったです」と気遣ってくれたことがあり、保育士の温かい配慮を感じた。


保護者は「先生に子どもを大切に思ってもらえている」と実感できると、大きな安心を覚えます。短いひとことでも、愛情がこもっていれば信頼につながるのです。

悪いことも工夫して伝える

良い事だけではなく、何かあったときにこういった対応をしましたと書かれていたり、以前は○○だったのがこういう風に変化してきていますという書き方だとしっかり見てくれているなと感じる。

本人がつまずいたことや困ったこと、できなかったことなどをそのまま書いてもらえるほうが、よく見てくれているんだなと信頼できる。

子どもが噛まれたときや、指を挟んだとき、小さな傷ができたときなども謝罪と報告をしてくれるので信頼感が増した。


良いことだけでなく、子どもがつまずいたことや困ったこともそのまま記録され、変化の様子や対応まで丁寧に伝えてもらえると、日々しっかり見守ってくれているのだと感じます。

小さなけがやトラブルも謝罪と報告をしてもらえることで、保育への安心感や信頼感が一層深まります

本当はこうしてほしい!連絡帳のやりとりに希望すること

自宅で連絡帳をタブレットで確認する保護者

そのほか、アンケートの回答にあった連絡帳で「面倒だと感じること」についてです。ここからは、保護者が連絡帳に対してどのような不満を持っているかがわかります。

毎日の記入が負担

・仕事後にひとこと書くのも大変
・食事内容を毎日細かく書くのはプレッシャー
・エピソードがない日は無理に書かなくてもいい仕組みにしてほしい

保護者も多忙。無理なく続けられる仕組みが求められています。無理のないやりとりが長く信頼を育てる土台になります

デジタル化への期待

・アプリで入力できると便利
・デジタル化で負担が減り助かっています
・既にアプリ導入済みの園は、やり取りがスムーズで羨ましい

デジタル化は保護者・保育士双方の負担軽減につながります。便利な仕組みは「子どもと向き合う時間」を増やすことにもつながるといえるでしょう。

保育士向け!連絡帳を記入するときのポイント

保育園で連絡帳を記入する保育士のイメージ

最後に、今回の調査を踏まえて「保育士が連絡帳を書く際に意識すべきこと」を整理します。毎日本当に忙しく、大変ななかではありますが、連絡帳を書くときに意識できるとよいでしょう。

悪いことばかり書かない

→ 改善点は伝えつつ、良い面や成長の兆しも必ず添える。

誤字脱字・名前間違いは信頼を損なう

→ 小さなミスも保護者にとっては大きな不安材料に。

書かない・形式的な内容は避ける

→ 「特になし」や短文ばかりでは「子どもを見ていない」と思われやすい。

保護者に責任を押しつけない

→ 園での課題は園で対応し、家庭には協力をお願いする形で伝える。

子どもへの愛情を言葉で表す

→ 「可愛かった」「頑張っていた」など温かいひとことが信頼を築きます。


連絡帳は単なる記録ではなく、保育士と保護者の「信頼を築くコミュニケーションツール」。書き方次第で安心にも、不信にもつながることを忘れてはいけません

ひとことの温かさが、子どもと保護者の笑顔を増やす力になります。

まとめ

今回の調査から、保育園の連絡帳は保護者と保育士の信頼を築くための大切なツールである一方、書き方次第では不信感やトラブルの火種にもなり得ることがわかりました。

悪いことばかりが並べば不満が募り、書かない先生や形式的な記録は「ちゃんと見てもらえていない」と思わせてしまいます。

けれども、子どもの小さな成長や家庭では見られない姿を伝えるコメント、温かいひとことは大きな安心を生み出します。

連絡帳は単なる連絡事項ではなく、子どもの成長を一緒に喜び、支えるための小さな日記のような存在です。ひとことに込められた思いやりは、子どもの笑顔だけでなく、保護者の安心や先生の誇りをも育てていくのです。

だからこそ、連絡帳を大切に活用することは、子どもにとって安心できる環境づくりの第一歩になるでしょう。

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