憧れのマイホーム、人生で1番大きな買い物になるといっても過言ではない「新築一戸建て」。大きな決断であればあるほど、理想と現実のギャップに心がザワザワしてしまうもの。今回は、そんなマイホームブルーのお話。
結局マイホームブルーってなんなの?
購入したばかりの住宅に対し「本当にこの家でよかったのか?」「やっぱりここはこうしておけばよかった」と不安や後悔などを感じて落ち込むことをマイホームブルーと呼びます。
・「結婚するけどこれでよかったのか不安」→マリッジブルー
・「妊娠・出産に強い不安や恐怖を感じる」→マタニティブルー
・「マイホーム購入にあたって感じる不安」→マイホームブルー
どれも人生の大切な選択、分岐点。不安になったり後悔したりすることは珍しいことではありません。
マイホームブルーになる主な原因
正直、家を買うという大きな選択をするなかで不安を感じない人なんていないのではないかと思います。私自身も家を購入して約7年、最初の1年は頭の中がモヤモヤで支配されている感じでした。
私の場合は、わりと若いうちから購入を決意したこともあって「ローン返済への不安」「ほかの家も見た方がよかったのではないか」という不安からでした。
マイホームブルーには、主に以下のような原因が考えられます。
マイホームブルーになるのは、夫だけ、妻だけ、夫婦そろってなど家庭によってさまざま。ほかの人が聞けば「え?そんなことで?」というようなことが気になって落ち込む人も多いんですよね。
もし自身がお金を負担していなかった場合は、不満を言うと「パートナーのがんばりを否定している」ように取られてしまうのではないかという不安も。
住めば都というけれど、そう簡単に割り切れる人ばかりではないですよね。人によっては、悩みすぎて夜も眠れなかったり、なかなか立ち直れず鬱状態になったりするケースもあります。
せっかくのマイホームなのに「そんな気持ちになるのはおかしい」「こんなに素敵な家なのにわがまますぎる」と自分を責めてしまうと、その不安の渦はますます広がっていきます。
より具体的なマイホームブルーの話
落ち込んでいるとき「みんなも同じように悩んでいる」ことがわかると、少し安心することってありませんか?同じような人を探して安心してくて口コミを探しちゃったりなんかして。そこで、リアルなマイホームブルーのお話を募ってみたのでご紹介していきます。
注文住宅で土地込み4500万円のマイホーム。打ち合わせから浮かれすぎていたのだと思います。ハイセンスでおしゃれな家を目指して深緑の外壁にしたら、思ったよりも緑で草。家を出入りするのが憂鬱になり、後悔してもしきれません。
完璧を目指して間取りを考えたのに、窓が少なくどんより暗い感じの家になってしまった。暗いと思えば思うほど暗い。このままでは家族に亀裂が入るのではないかと思うくらいにモヤモヤしています。
新興住宅に一軒家。隣近所も同じような家族構成の家庭ばかりで最初は「いい場所に家を建てたな」と思っていましたが、近すぎて情報ダダ洩れ。車がないと「どこに行っていたの」とか、来客があれば「誰か来ていたの」とか声をかけられて。住み始めて1ヶ月、マイホームブルーすぎて早くも引っ越したいです。
共働きなので迷わずペアローンで5000万円の家を建てました。しかし、すぐに2人目の妊娠がわかり悪阻で休職。この先出産・育児でしばらく仕事を離れることを考えると不安でいっぱいです。夫は「なんとかなるでしょ」と言っていますが、見栄を張りすぎたのではないかと不安でいっぱいです。
気に入った建売住宅を購入しました。納得して購入したのですが、住んでみて駐車場がかなり狭いことに気づきました。ファミリーカーの駐車が難しく、毎日イライラ。それに自転車を停める場所がないことも考えもしなかった。自宅購入をやり直したい。
そのほか、壁紙の変更が反映されていなかった、コンセントが目立っていて見る度に落ち込む、こだわった窓なのに開けると隣人と目が合ってしまうなどなど。
オプションをつけていたら当初の予定よりも600万円も増額してしまい、返済への不安から生きているのも不安になるという人もいました。
周囲に相談しようにも「夢のマイホームを手に入れたのになんでそんな細かいことを気にしているのか」と、わかってもらえなかったりするんですよね。
結構多いSNSからの影響
InstagramやXなど、昨今はSNSにマイホームに関する情報が溢れかえっています。この記事を読んでいる人のなかにも、SNSに気持ちを揺らされてしまった人は多いのではないでしょうか?
比較意識が高まりやすい
同じようなマイホームの投稿を見れば「うちの家は普通すぎる」「同じ価格なのに全然違う」と比較してしまいます。また、あの間取りにすればよかったと後悔を生むことも。参考にするつもりが、いつの間にか「比べる対象」になってしまうんです。
理想の家の基準がどんどん上がる
SNSに掲載される写真は、映える一瞬や作りあげられた生活感のないものばかり。そのような写真に刺激を受け続けると、理想は高まるばかり。限られた予算のなかでは実現できないものもあり「満足できない」「失敗した」という気持ちを助長させます。
他人の“成功ストーリー”に焦りを感じる
マイホーム作りを成功させて満足している様子をSNSで見ると、小さなことに後悔を抱えている自分がますます惨めになっていきます。成功談ばかりで悩みや後悔を共有されていないだけなのですが、みんな上手くやっているように錯覚して自己評価が下がってしまうことに。
マイホームブルーを自覚したらSNSから離れる
あきらかに「SNSを見たあとに気分が落ち込んでいる」と自覚がある場合は、本当にちょっとSNSから離れるべきです。見ていてもひとつもいいことがありません。
・「これは“切り取られた一瞬”」であると理解する
・「いいな」と思ったら“真似したい部分だけ”に注目する
・「今の自分の暮らしに感謝する」ことを常に意識する
・「人の幸せは自分の不幸を意味しない」と自分に言い聞かせる
・「暮らしの主役は自分」と言葉にする
理由は分からないけどとにかくモヤモヤするという人は、そのモヤモヤに心を支配されないよう、いったん原因となる対象物を目に入れない、考えない環境を作ることが大切です。
マイホームブルーを感じたら「仕方なかった」と唱える
まだマイホーム計画中であれば、絶対に後悔しないよう担当者やパートナーにしっかり思いをぶつけましょう。聞けることは聞く、調べられることはとことん調べる。
背伸びせず、見栄も張らない。キラキラしているInstagramの真似ばかりにとらわれないこと。
でも、もうマイホームを建ててしまって住んでいる人はどうしようもありません。「このマイホームブルーはいつまで続くの?」と心配ですよね。無理に前向きになる必要はありませんが、落ち込んだ心を癒すには時間が必要です。
・モヤモヤしていることを書きだして向き合う
・これは仕方のないことだったと思う
・マイホーム系SNSから距離を置く
・家の中ですごく好きな場所を見つける
・3回建てなければ理想の家にはならないことを知る
自分たちがこの先ずっと住んでいく家だから、真剣に向き合って悩むのが当たり前。落ち込んでもマイホームブルーになっても大丈夫です。
ただ、そこばかりに目がいくのはもったいないこと。せっかく新しい家に住むのだから、お気に入りのポイントを見つけて気分を上げていきましょう。いつかきっと、悩んだことが馬鹿らしくなるくらい愛着でいっぱいのマイホームになるはずです。
それでもなんとかしたい人の「苦し紛れの案」
マイホームブルーからなんとか抜け出したく、夜な夜な検索してしまっているようでは寝不足からの不安倍増で無限ループから抜け出せません。そんなときは前向きに、なんかできることをやってみましょう。
家具・家電を超お気に入りに変える
大枠を変えられなくても、好きな家具・家電を買いそろえると今までよりも住み心地がよくなります。おすすめはカラーを揃えること。統一感を出してお洒落に見せてインテリアを楽しめば、お気に入りのマイホームになるかも?
壁紙で雰囲気を変えてみる
部屋の大部分を占める壁紙は、その雰囲気に大きく影響します。新築で躊躇するかもしれませんが、思い切って壁紙を貼り替えてみるのもおすすめです。お気に入りの空間に仕上がれば、鬱々とした気分が晴れるかもしれません。
プチリフォームしてみる
隠したい場所に板を貼ったり、単調すぎる空間に小上がりを作ったり。いっそのことDIYを楽しんでみるのもアリです。
自分でできない場合は「ここだけ直せばマイホームブルーから脱出できる」という場所を決めて、業者に頼むのもおすすめです。
ちょっと売却額とか調べてみる
あまりにもマイホームブルーすぎて「もう家を売りたい」「住みたくない」まで考えてしまっている人は、思い切って売却額でも調べてみましょう。購入時とトントン、もしくはプラスになるようであれば「マイホームのやり直し」もアリかも?売却額を知っているだけで「お守り」になるかもしれませんしね。
いつかは必ず穏やかに過ごせる
今は「時間が解決する」とは言いがたい状態かもしれませんが、本当に時間の経過はすごいもの。いつかは必ず心のモヤモヤ度が減り、穏やかに過ごせるようになるはずです。
問題は、今このモヤモヤをどうするかですよね。こうやって「マイホームブルー」について調べて同士を探したり、解決策を探したりするのも、立派な脱出策!
ただ、くれぐれもSNSで憧れの仕様を探して見つめ続けるなど、心をえぐるようなことは控えてくださいね……笑











